2009年4月
いなか勉強会2日目
いなか勉強会2日目は、三瓶温泉「さひめ野」を9時に出発して昨日と同じ島根県中山間地地域研究センターに帰り、【中山間地域研究センター 科長 藤山 浩氏】の講義を受けました。藤山浩氏とは、広島市議会で一度講義を受けているので、親しく講義を受けさせていただきました。
今日の講義内容は、「地域社会CO2排出削減シュミレーション」でした。この研究は、中国地方整備局・岡山大学・島根県中山間地地域研究センターの共同研究だそうです。
自動車利用に伴うCO2排出量分布状況、分析対象地域:広島都市圏
広島市においては、郊外(佐伯区・安佐北区)が最もCO2の排出は多くついで、西区・安佐南区・東区・安芸区が多く一番少ないのが中区・南区です。
郊外部では人口増加により、CO2が大幅に増加している。
・炭素税導入と言う政策を除くと、「低燃費車」による効果が最も高委と言う結果が出ています。
・「都市構造」「意識啓発」、「都市構造×意識啓発」のシナリオを比較すると構造×エコ通勤を組み合わせることが、効果が高くなる。これに構造転換を組み合わせることで最も効果が高くなる。
・中山間構造だけではCO2は増加する。「職住接近」と組み合わせることで効果は大きくなる。
郊外地区からの個人での車通勤の問題を解決することがCO2削減には大きな効果を生む。
最後に今後の勉強会の流れを示していただきました。以下の流れです
モデル地区の設定
1)中山間地研究センターを訪問
2)〈現状把握編〉「データーで見る広島のいなか・郊外
3)〈現場訪問編1〉広島市の小規模・高齢化集落訪問
4))〈現場訪問編2〉広島市郊外団地の高齢化といなか連携
5)〈まとめ〉広島市都市圏を軸とした都日鄙連携の可能性
以上の講義を受け、中山間地研究センターを後にし、島根県美郷町に向かいました。
島根県邑智郡美郷町
中国地方で最も雄大な江の川が町を貫流し、両岸には中国山地の緑が連なり、古くは石見銀山街道の一部として栄え、江の川の恵みとともに発展してきました。現在も伝統文化や自然を多く継承している町です。
町内には多くの温泉があり、遠方から訪れる方々も数多く、江の川を活用したカヌーや火振り猟などの観光も人気があります。
美郷町の特産品としては、豊かな自然からの恵みを活かしたものが多く、とくにマタタビや蕎麦・アユ・イノシシなどに人気があります。水と緑 いきいき輝く 夢あふれる協働のまち を基本理念としています。
(2009年4月1日現在)人口 5,712人 世帯数 2,469世帯 高齢化率 42,6%
教育ツーリズム
・こども農山漁村交流プロジェクト
農林水産省が推進し環境省が協力支援をしている。
子どもたち1学年単位で受け入れが可能な地域づくりを全国的に拡大するため
1)モデル地域を核とした受け入れ地域の整備に向けた総合的な支援
2)受け入れ地域情報等の情報提供・受け入れ推進体制の整備等
小学生120万人を目標に1週間程度の宿泊体験(民泊主体)をさせる。
以上の施策を推進のため、邑智郡田舎体験交流協議会を結成して民泊農家を組織しています。
美郷町 22戸・川本町 20戸・邑南町87戸
「おおち山くじら」地域ブランド
イノシシ被害を逆手にとって地域のブランドとして売り出している。イノシシを捕獲して美味しく食べるための食肉処理法を確立している。現在は年間300頭以上を捕獲し邑智ブランドの食肉として売っている。
"地産地生"
山くじらは、美郷の里で生まれ、自らを生かし、ひとを活かし、地域を活かしています。
美郷町"山くじら"地域ブランドのシンボルマーク(商標登録第4906334号)
以上の視察をしました。久し振りに田舎の良い空気を吸い、有意義な研修視察となりました。
いなか勉強会1日目
「いなか勉強会」1日目です。午前中に広島市を出発して、昼食を「憩いの里衣掛」(島根県飯石郡飯南町上赤名1663)でいただきました。
14時より島根県中山間地域研究センター「地域研究グループ 有田昭一郎」氏の講演を聞きました。
1、地域資源を活用したビジネスの方向性
1)産直市の展開
島根県農産物直売所328戸、売り上げ概算14億円→「道の駅」で集客力向上
背景
1)有利販売機会の提供→農家の手取り増
2)創意工夫→付加価値販売(商品の加工その他)
3)多様な主体が関る事が出来る
・高齢者の生きがい
・専業農家の出荷調整とマーケティング
・新規就業者のインキュベーター
課題
1)産直市間競争の激化への対応←大都市部アンテナショップ、JA大型店舗の参入
2)出荷者の確保・育成←現在の生産者の高齢化
3)地域産業関連強化=総菜店、レストランなどとの連携
展開戦略
1)地元顧客との結びつきを強める(安定的な需要)
地元顧客向け品揃え、学校給食・福祉施設への食材提供
2)集荷システムの導入
高齢者・専業農家など様々な生産者への対応
3)複数の産直市商品(少量多品目)を束ねて都市で販売「地産都商」
2)「ビジネスを束ねる」展開
1)民泊(農家)ー法制度の適用を整理
・一定の条件の下で体験を伴う農山漁村民泊等は、「旅館業法」「食品衛生法」許可不要
2)滞在型市民農園
3)都市との共生を目指す新たな動き
1)食料協定→関西・関東出身者との交流→有事時の米の確保を前提とした契約栽培・販売
まとめ
1)地元の需要と確実に結びつく
2)地域の資源を束ねて都市部に売り込む→直産市・特産品・民泊・等
3)より強い都市との共生関係構築を目指す→販売から協定へ
以上約2時間の講義を受け、質疑で盛り上がりました。
宿泊は、三瓶温泉 四季の宿「さひめ野」でした。
いなか勉強会2日目は明日書きます。
1日目の写真を添付しておきます。下記をクリックして下さい。
いなか勉強会
今日から一泊二日で研修に言ってきます。行き先は、島根県中山間地域研究センターです。(島根県飯石郡飯南町上来島1207)
昨年度より、「中山間地における中小企業等の支援策を求める勉強会」、「通称:いなか勉強会」を始めています。その一環として研修に約10人の議員で行ってきます。内容はまた、後日、報告します。
生命地域宣言
中山間地域は、私たちの生命地域です。
20世紀は、都市の世紀でした。
今までになく多くの人々が、土と緑を離れ、日々暮らすようになりました。
しかし、生命を育むことを忘れた文明は、行き詰ろうとしています。
生命地域宣言。
21世紀、「奪う」暮らしから「育てる」暮らしへ。
中山間地域へ、そして中山間地域から、新しい生き方を始めませんか。
新しい地域をつくりませんか。
今ここに、環境の世紀における先進空間として中山間地域の再生を宣言します。
島根県中山間地域研究センター
全国で初めての中山間地域の総合研究開発機関です。
島根県の人口はここ100年ほとんど変わっていません。それでも十分やってこれました。ニュージーランドでは、山間部の人口密度は島根県より格段に低いが、住民は頻繁に交流し、豊かな生活を送っているそうです。今後も地域マネジメントを誤らなければ、過疎が地域を壊滅させるという一般的な認識通りには、経緯しないという研究をしている施設です。。
1998年に島根県赤来町に全国で初めて中山間地域を対象とした研究開発機関として設立されました。「中山間」という言葉は一般的には耳馴染まない言葉ですが、平たく言えば平野部以外の地域と言い換えられます。中山間地域は日本の国土の7割を占めていますが、島根県では松江市と出雲市を除くほとんどの地域が、この中山間地域に該当するそうです。これらの地域では過疎化の問題が顕著で、住民の生活スタイルにも影響を与えています。