2011年12月

新語・流行語大賞

2011年12月19日

  今年も、『2011年ユーキャン新語・流行語大賞』(現代用語の基礎知識選)の発表が12月1日にありました。

新語・流行語大賞の候補に選ばれたのは次の10語です。

・「帰宅難民」
  東日本大震災による交通機関の混乱で帰宅が困難となった人々

・「絆(きずな)」
  同震災で人と人との絆(きずな)の大切さを再認識

・「こだまでしょうか」
  同震災後、頻繁に放送されたACジャパンの公共CMで流れた言葉

・「3・11」
  日本で未だ経験したことがない大地震が起きた日

・「スマホ」
  それまでの携帯電話に代わり、タッチパネルで操作でき、拡張性がある「スマートフォン」の略語

・「どじょう内閣」
  野田内閣発足前に、民主党代表選で野田候補が引用した相田みつをの詩
 「どじょうがさ 金魚のまねすることねんだよなあ」と実直な政治を目指すことをアピールして 当選した経緯と発足内閣を指して呼ばれた言葉

・「どや顔」
  「どや?」は関西弁で「どうや?」と自慢げな態度を指し、 「どや顔」はしたり顔を指す

・「なでしこジャパン」
  FIFA女子ワールドカップで優勝した女子サッカー日本代表

・「風評被害」
  原発事故により、広がる食料品の放射線汚染に関するデマやウワサに対してよく使われた言葉

・「ラブ注入」
  お笑い芸人”楽しんご”のギャグ

この中で、年間大賞を取ったのは「なでしこジャパン」でした。

授賞の理由として

「女子サッカーが、日本女性の優雅な“美しさ”をたたえる意味として用いられている愛称まで 国民的に共感されて“なでしこ”の呼び名が大合唱を巻き起こすことになった」という事でした。

コメント(0)

2011年12月18日

 2011年12月12日、世相を表す「今年の漢字」に「絆」が選ばれ、清水寺(京都市東山区)で12日、森清範(せいはん)貫主が特大の和紙に揮毫(きごう)しました。

 今年は過去最多だった昨年より21万票以上多い49万6997票が集まり、「絆」が6万1453票を得ました。東日本大震災や台風12号など相次いだ災害で再認識された家族や仲間、地域とのつながりの大切さや、サッカー女子ワールドカップ(W杯)で優勝した「なでしこジャパン」のチームワークの良さなどを理由に挙げた人が多かった。

 また、JIS第2水準の漢字が初めて今年の漢字になりました。常用漢字以外の漢字が今年の漢字となったのは2回目です。
 (2003年の「虎」以来。ただし「虎」は2010年に常用漢字になっています)

今年のベスト10

順位 漢字                                           票数  
1位 「絆」  (ハン・バン/きずな・ほだす)    61,453票(12.36%)
2位 「災」  (サイ/わざわい)          28,648票(5.76%)
3位  「震」 (シン/ふるう・ふるえる)     26,972票(5.43%) 
4位  「波」 (ハ/なみ)            17,832票(3.59%) 
5位  「助」 (ジョ/たすける・たすかる・すけ)  14,011票(2.82%) 
6位  「復」 (フク)              12,948票(2.61%) 
7位  「協」 (キョウ)             10,285票(2.07%) 
8位  「支」 (シ/ささえる)           8,196票(1.65%)
9位  「命」 (メイ・ミョウ/いのち)       7,979票(1.61%) 
10位 「力」 (リョク・リキ/ちから)       7,694票(1.55%)

【絆】
 「動物・他人を束縛し動けなくする」から転じて「人と人との強い結びつき」という意味である。昨今、特にこの言葉を用いられるようになった。
 語源は諸説あり、動物をつなぎとめる綱のことを指す。離れないように繋ぎとめる事から、人と人との信頼を繋ぐ意味となった。
 恋愛要素よりも友情・家族間の団結を強調できる事もあり、よく使われるようになった。

  あるTV 番組の中で、「絆」の漢字は「糸」+「半」であることから、人と人の結びつきの「絆」とは一方が相手の力加減に関係なく引っ張り合うと糸は切れてしまう。
 お互いが相手の力加減を考慮しながら繋がる結びつきの意味を込めて「糸」+ 「半」でないかとコメントする人がいました。上手なコメントだなと思いました。

 また、TV 番組のタイトルや新聞記事の中に、例えば、「6つの絆」、「遙かなる絆」、「“きずな”・育む」、「キズナ食堂」、「家族のきずな」、「親子のきずな」等々のように「絆(きずな)」という漢字をよく見聞します。
 人間関係が希薄な世相だからこそ、人と人の結びつきを改めて考え直そうとの背景・事象かとも思います。
 「絆」の語源を調べて見ると、もとの意味は「動物をつなぎとめる綱のこと」で、拘束力が非常に強いという事を感じます。今使われている意味合いの「断つことのできない人と人の結びつき」とはニアンスは少し異っていると思いませんか。

コメント(0)

創作四文字熟語

2011年12月16日

 住友生命保険が例年募集している4字熟語の優秀作品が12月8日、発表されました。今年で22回目を迎えました。全国から11,023件が寄せられました。
 今年の傾向として、東日本大震災がらみや5年間で6人の首相を生むという政界を皮肉ったものが多いようです。歌人の「俵 万智」さんが審査員をしています。住友生命のHPから「俵 万智」さんの感想を掲載しました。

【優秀作品10編は次のとおり】
・天威無法(てんいむほう≠天衣無縫)…… 大震災・大津波・大雨洪水、天の威力の前になす術がない。
・帰路騒然(きろそうぜん≠理路整然)…… 帰宅困難。大地震に続き台風でも。
・愛円義援(あいえんぎえん≠会縁奇縁)…… 震災で海外からも多くの義捐金が寄せられた。
・一松懸命(いっしょうけんめい≠一生懸命)…… 一本の松が復興のシンボルとして頑張っている。
・電考節夏(でんこうせっか≠電光石火)…… 電気についてみんなよく考えた節電の夏
・金価雀躍(きんかじゃくやく≠欣喜雀躍)…… 金価格高騰で喜ぶ人。
・年々宰宰(ねんねんさいさい≠年年歳歳)…… 毎年のように総理大臣が変わる。
・舌禍繚乱(ぜっかりょうらん≠百花繚乱)…… 政治家の失言が入り乱れた。
・熟年差婚(じゅくねんさこん≠熟年離婚)…… 年の差を気にせず若い恋人と結婚する人が目立つ。
・才足兼美(さいそくけんび≠才色兼備)…… 「なでしこジャパン」の活躍。

 

 漢字のよさは、ひと目で意味がわかり、凝縮した内容が伝わるところ。たった四つの文字で、きらりと世相を切り取った数々の作品を、今年も堪能しました。

 明るいニュースが少なかったなか、「才足兼美(さいそくけんび)」のなでしこジャパンの活躍は、ほんとうに多くの希望をくれました。「熟年差婚(じゅくねんさこん)」は、「熟年離婚」という新しい四字熟語からの、さらなる発展形として印象に残ります。

 「年々宰宰(ねんねんさいさい)」「舌禍繚乱(ぜっかりょうらん)」「金価雀躍(きんかじゃくやく)」は、もとの四字熟語との意味の響きあいが面白く、逆に「天威無法(てんいむほう)」「帰路騒然(きろそうぜん)」は、もとの意味との落差に胸が痛みました。「電考節夏(でんこうせっか)」は、標語にしたいほどの出来栄え。

「愛円義援(あいえんぎえん)」「一松懸命(いっしょうけんめい)」。解説のいらないこの二作品に、多くの人が頷くことでしょう。 

                    俵 万智(歌人)
                 (住友生命保険公式HP引用)

コメント(0)


Page: <<前のページ  1 < 2 < 3 < 4 < 5 < 6 < 7 < 8