創作四文字熟語 2011:12:16:06:53:40
住友生命保険が例年募集している4字熟語の優秀作品が12月8日、発表されました。今年で22回目を迎えました。全国から11,023件が寄せられました。
今年の傾向として、東日本大震災がらみや5年間で6人の首相を生むという政界を皮肉ったものが多いようです。歌人の「俵 万智」さんが審査員をしています。住友生命のHPから「俵 万智」さんの感想を掲載しました。
【優秀作品10編は次のとおり】
・天威無法(てんいむほう≠天衣無縫)…… 大震災・大津波・大雨洪水、天の威力の前になす術がない。
・帰路騒然(きろそうぜん≠理路整然)…… 帰宅困難。大地震に続き台風でも。
・愛円義援(あいえんぎえん≠会縁奇縁)…… 震災で海外からも多くの義捐金が寄せられた。
・一松懸命(いっしょうけんめい≠一生懸命)…… 一本の松が復興のシンボルとして頑張っている。
・電考節夏(でんこうせっか≠電光石火)…… 電気についてみんなよく考えた節電の夏
・金価雀躍(きんかじゃくやく≠欣喜雀躍)…… 金価格高騰で喜ぶ人。
・年々宰宰(ねんねんさいさい≠年年歳歳)…… 毎年のように総理大臣が変わる。
・舌禍繚乱(ぜっかりょうらん≠百花繚乱)…… 政治家の失言が入り乱れた。
・熟年差婚(じゅくねんさこん≠熟年離婚)…… 年の差を気にせず若い恋人と結婚する人が目立つ。
・才足兼美(さいそくけんび≠才色兼備)…… 「なでしこジャパン」の活躍。
漢字のよさは、ひと目で意味がわかり、凝縮した内容が伝わるところ。たった四つの文字で、きらりと世相を切り取った数々の作品を、今年も堪能しました。
明るいニュースが少なかったなか、「才足兼美(さいそくけんび)」のなでしこジャパンの活躍は、ほんとうに多くの希望をくれました。「熟年差婚(じゅくねんさこん)」は、「熟年離婚」という新しい四字熟語からの、さらなる発展形として印象に残ります。
「年々宰宰(ねんねんさいさい)」「舌禍繚乱(ぜっかりょうらん)」「金価雀躍(きんかじゃくやく)」は、もとの四字熟語との意味の響きあいが面白く、逆に「天威無法(てんいむほう)」「帰路騒然(きろそうぜん)」は、もとの意味との落差に胸が痛みました。「電考節夏(でんこうせっか)」は、標語にしたいほどの出来栄え。
「愛円義援(あいえんぎえん)」「一松懸命(いっしょうけんめい)」。解説のいらないこの二作品に、多くの人が頷くことでしょう。
俵 万智(歌人)
(住友生命保険公式HP引用)
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