2010年10月
高橋健
9月29日、マツダスタジアムで「高橋健」投手の引退試合がありました。母と一緒にテレビ観戦をしました。
今季限りで引退を表明している広島・高橋建投手(41)が29日、横浜(24)戦(マツダ)で現役最後のマウンドに立ちました。カスティーヨから142キロの直球で空振り三振を奪い、日米通算487試合、16年の現役生活にピリオドを打ちました。
両親、家族に見守られた引退セレモニーでは目を潤ませ、時折、言葉を詰まらせカープファンへの感謝を述べました。
アラフォーの星は野球評論家として第2の人生を歩むことになるそうです。
八回。場内アナウンスに高橋の名が、コールされると、マツダスタジアムから大歓声と、万雷の拍手がわき起こった。94年に入団してから16年。日米通算487試合目のマウンドでした。両親、陽子夫人、長女・優さん、次女・舞さん、横浜から親類、友人含め200人の応援団が見守る中、さっそうとマウンドに上りました。
うるっと来ました。それでも、ありったけの力を振り絞り、カスティーヨに挑み、プロでの生き様同様、最後はオール直球で勝負しました。142キロの直球で空を切らせ空振り三振。ビシッと締めました。
マウンドを降りるとベンチで涙もろい41歳は何度もタオルで顔をぬぐいました。「広島12‐4横浜」(29日、マツダスタジアム)
テレビの画面を写真に撮りました。
出身地 神奈川県横浜市戸塚区
生年月日 1969年4月16日(41歳)
身長 184cm
体重 90kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 1994年 ドラフト4位
初出場 NPB / 1995年4月8日
MLB / 2009年5月2日
年俸 2,500万円(2010年)
展開医科学
昨日(10月1日)の「認知症と赤ワイン」の記事で耳慣れない「展開医科学」と言う分野が医学の世界にあるということを知りました。岡嶋研二先生の書かれた説明がありましたので掲載しておきます。
展開医科学
"研究領域の種類を問わず、基礎医学の研究成果を臨床や社会に、できるだけ速やかに応用することを目標とする医学研究"のことです。本分野の研究内容は、これまでに行ってきた血液病学の研究成果を基に、"ヒトの治癒力"の実体の解明を基本に(1)治癒力を増強する新たな生活習慣や食べ物の探索;(2)治癒力を引き出す薬剤の同定などが中心です。得られた研究成果は、学術誌への掲載のみならず、新聞などのマスコミを通じても、社会へ周知されるようにしています。
本研究分野の医学研究を進める上での基本的な考え方は、医学における"色即是空、空即是色"という発想です。"色"とは、目に見えるもの、すなわち、これを "病気"とすれば、"空"は、その背後にある目に見えないもの、すなわち、病気になったヒトの生活環境、精神状態、および食習慣などです。すなわち、これらの"空"の要素が病気("色")を起こさせる重要な要因となりますし(色即是空)、逆に、これらの"空"の要素がわかれば、"色"、すなわち、病気の新たな発症機序が浮き彫りになるとも考えられます(空即是色)。これらの"空"の要素を改善することが、疾病予防には重要です。特異的な疾病予防(例えば、生活習慣病予防のための食生活や生活習慣の改善)に加えて、多くの疾病に対して共通したヒトの治癒力とは何かを解明し、これを高めるような、 新たな"空"の要素を見出し、疾病予防に応用することが本分野の医学研究の目的です。この研究は、さらに大きな視点から捉えると、"環境問題の改善"というテーマをも含みうると思われます。
これまでの成果から、治癒力を担う重要な物質のひとつが、"インスリン様成長因子-I"であろうと考えています。すなわち、我々の研究室では、知覚神経を刺激することで、インスリン様成長因子-Iの産生を増加させることを見出したので、そのような効果を有する食べ物、生活習慣、さらに、薬剤の探索を現在行っています。
具体的な研究内容
1.治癒力を高める食物成分の同定:これまでに、唐辛子や大豆の成分が、知覚神経を刺激して、インスリン様成長因子-I産生を増加させることにより、育毛、および肌の老化防止作用を発現することを見出しました。現在、古くから健康維持や老化防止に効果的であることが知られている多くの食物成分の治癒力への影響を検討中です。これらの結果を基に、健康維持やアンチエイジングに効果的な新たなサプリメントの開発を行います。また、現在、社会問題と成っている認知症、および自殺や不登校の原因となるうつ病を、治癒力を上昇させることで予防する食品成分の探索をも行っています。
2.治癒力を高める生活習慣の提唱:運動、日光浴、および入浴は、健康維持や疾病治療に効果的とされて来ましたが、その機序については、多くの不明な点が残されています。これまでに、温泉(特に、酸性の温泉)が、インスリン様成長因子-I産生を増加させることを見出しました。光線の治癒力増加効果発現の機序もわかってきました。これらの結果を基に、治癒力を高める生活習慣の同定とその実行による疾病の治療や予防への応用を目指します。
3.治癒力を高める薬剤の探索と開発:臨床では、多くの薬剤が疾病の治療に用いられています。しかし、西洋医学の発想(つまり、発現する症状を強制的に解消させる、いわゆるstrong medicineの発想)は、生体の治癒力までも抑制することがあります。治癒力を引き出して、疾病を治療しようとする東洋医学的な発想も、疾病治療には重要です。これまでに、臨床で用いられている薬剤の中には、本来、予期されていなかった作用を発現し、疾病治療において、期待以上の効果を示すものがあります(薬剤の多面的効果)。このような薬剤には、本来の薬理作用に加えて、生体の治癒力を高める作用をもったものがある事を報告しました。この様な意味で、東洋医学と西洋医学の良さを併せ持った薬剤を探すと同時に、この理論を新たな創薬へと応用することを目標にしています。
(文責:岡嶋研二)