2011年4月
「女は7の倍数」「男は8の倍数」
「女は7の倍数」「男は8の倍数」と言うテレビCMを聞いたことがあります。女は7の倍数・男は8の倍数の年齢時に体の変調が起こるという中国の理論だそうです。その原典が、「黄帝内経」「素問」の1巻「上古天真論」だそうです。
上古天真論(じょうこてんしんろん)
これは、東洋医学の基礎中の基礎とされている「黄帝内経(こうていだいけい)」の中の「素問(そもん)」と言う「医学の理論書」があり、その一番初めに書かれている「理論(…理論と言うか…お話し?一説?)」です。
ちなみに、この「黄帝内経」は、理論中心の「素問」と、鍼灸とか実技中心の「霊枢」からなっており、現存する「最古の医学書」と言われています。原文は漢文で書かれています。直訳すると次のようになります。
岐伯が言うには。
女は7歳で腎の気が旺盛になり、歯が生え代わり髪が伸びる。
14歳 天癸に至り、任脈が通じ、太衝脈が旺盛になり、月の事があり、子供を作れる。
21歳 腎気が平均になり、親知らずが生え、成長が極まる。
28歳 筋骨が硬くなり、髪長く極まり、身体は盛りとなる。
35歳 陽明脈は衰え、顔はやつれ始め、髪は抜け始める。
42歳 上の三陽脈が衰え、皆顔はやつれ、髪は白くなり始める。
49歳 任脈が虚し、太衝脈が衰え、天癸は涸れ、地道通じず、故に子供を作れない。
男は8歳で腎の気が旺盛になり、髪は伸びて、歯が生え代わる。
16歳 腎の気が盛んになって天癸に至り、精気が溢れ、陰陽和し、子供が作れる。
24歳 腎気が平均になり、筋骨はとても強くなり、親知らずが生え、成長が極まる。
32歳 筋骨は隆盛、肌肉は壮健を極める。
40歳 腎気が衰え、髪が抜け、歯が枯れる。
48歳 上の陽気が衰え、涸れ、顔がやつれ、髪やヒゲに白い物が混じる。
56歳 肝の気が衰え、筋肉が動き難くなり、天癸は涸れ、精が少なくなり、腎自体が衰え、皆外見は極まる。
64歳 歯や髪が無くなる。
腎と言うのは水をつかさどり、五臓六腑の精を蓄える。だから五臓は盛んで、良く機能する。
今、五臓が衰えると、筋骨は無くなり、天癸は尽きる。
故に髪やヒゲが白くなり、身体は重くなり、歩く事も出来なくなり、子供も作れない。
私は現在64歳です。この理論でいくともう終わりですね。しかし、この書では60歳を還暦として、そこからは厄年が無く、全て目出度いのだそうです。現在より少し体力年齢のスピードが速いものの人間の体力の変調をうまく言い表しているのではないでしょうか。
(インターネット「あはき師の独り言」引用)
疾風に勁草を知る
4月20日の朝日新聞の天声人語に次のような記事が掲載されました。現在の日本に状況をよく表していると思いました。 教員の時から、いざという時に頼りになる人間とそうでない人間に分かれると思っています。いざという時に頼りになる人間になるため、平生から心がけ努力しなければと考えています。
福島県郡山市で隔月に刊行されている児童詩誌『青い窓』を毎号送っていただく。1958年の創刊だから半世紀の歴史がある。最終ページに小さく刷られた言葉がいい。〈素晴らしい人間に出会うのではなく、人間の素晴らしさに出会う〉
▼人は誰も善悪や美醜をないまぜにして生きている。後光がさすような素晴らしい人は、立派だが、どこか遠い感じがする。むしろ誰の中にもある、キラリと光る素晴らしさこそ宝石ではないか。震災から40日、私たちは様々な宝石を心に留めてきた
▼「疾風に勁草(けいそう)を知る」の故事を思い出す。激しい風が吹いて初めて、強い草が分かるという意味だ。何も大げさな話ではない。被災に負けず、地元でボランティアの「青年協力隊」を作った高校生5人もいた。くじけぬ勁草ぶりも、人間の素晴らしさと言えるだろう
▼半面、疾風は弱い草もあぶり出す。人ではないが、安全神話の原発はもろくも折れた。かつて小欄で引いた『青い窓』の詩を記憶する方から、福島の子らを案じる便りがいくつか届いている
▼地震の前日に発行された最新号に小2の詩が載っている。その一節に〈さくらの花がさくころは/うれしさとさみしさが/りょうほう/いっぺんにやってくる〉。幼心にも出会いと別れの季節という思いはある
▼天災と人災のために、この春、多くの児童生徒が故郷を離れて行った。学ぶ先々で「人の素晴らしさ」に出会えればいい。出会いを糧に跳ねるパワーが、若い総身に満ちている。
【疾風に勁草を知る(しっぷうにけいそうをしる)】
困難に遭ってはじめてその人間の本当の価値、本当の強さが分かるということ。
困難がその人間の奥底に秘める意志や信念の堅固さを見分けるということ。
疾風は激しく吹く風のことで、勁草は強い草を意味する。
激しい風が吹いて初めて強い草が見分けられることから。
自分に従って来た者達が次第に離散していく状況に劉秀が慨嘆して述べた言葉。
(出典・参考・引用 范曄「後漢書」王覇伝)
浄水ソーラーカー
昨日(4月21日)TBSテレビの「ひるおび」という番組で、東日本大震災の被災地で活躍する移動式浄化システムと呼ばれる車を紹介していました。避難所となっている小学校のプール水などをろ過し、生活用水として利用していました。本来は、海外の砂漠地帯とか、水の無い地域へむけた機械なんですが、東日本大震災の災害地で活躍していました。
いちごホールディングスの移動式浄水化システム「アクアネクスト」という車だそうです。ソーラーカーで電力発電して浄水します。車だから移動出来て、到着から約1時間で浄水された水が飲めるというのだから驚きです。このシステムを利用すれば、新しい水供給システムを作れるんじゃないでしょうか。
移動式浄水化システムは、いろんなタイプがあって、海水を飲み水にするものとか、4トントラックに搭載したものとか、小型のものまであるようです
26日に気仙沼に入った4トントラックは学校のプールの水を飲料水に浄化して、2日間で7.5トンが真水に変わったそうです。
いちごHD―移動式浄水化システム、被災地でも飲料水確保(食を支える)
グループでピザチェーンなどを展開する「いちごホールディングス」(HD、仙台市、宮下雅光社長)が販売する、海水などを飲料水に変える浄水化システム「アクアネクスト」が注目されている。従来は発展途上国などで安全な水を供給する目的で事業を進めてきたが、東日本大震災を機に緊急時の需要が拡大しつつあるためだ。
震災発生から2週間後の3月25日。公益社団法人「こども環境フォーラム」(神戸市)は被災地の宮城県気仙沼市に向かった。4トントラックに積まれていたのは食糧などの支援物資と、海水や汚水を飲料水にする「移動式海水淡水化システム」だ。
現地に到着した26日には早速、気仙沼市内の学校でプールの水を飲料水にする給水活動に取りかかった。2日間で7・5トンを真水に変えて供給し、現在も活動を続けている。
この浄水装置を独自企画し販売するのがいちごHDだ。グループ会社のストロベリーコーンズ(同)は配達ピザチェーンを展開しており、浄水システムはいちごHDのアクアネクスト事業部が手掛けている。
海水や汚水をRO膜と呼ばれるシート状の膜を通過させ、真水分だけを透過させる仕組み。もともとは安全な水が手に入りにくいアフリカなど向けに開発されたが、昨秋に鹿児島県奄美地方で発生した集中豪雨時にも活躍した。
同システムは高い圧力で海水・汚水を押し出すため、従来は電力を多く使い、機械も大型となっていた。
だが今回のシステムでは、少電力で高圧力を得られる小型の高圧ポンプを搭載。電力は太陽光などでまかなえるため、被災地のようにライフラインが復旧していない地域でも活動できる。
震災発生の翌日、宮下社長は滞在していた東京からピザの移動販売車と共に車で12時間かけて仙台市に戻った。移動販売車を用いて早速、仙台市内にある本店でピザの販売を再開。しかし周辺のライフラインは一向に復旧しなかったという。
そこで東京のショールームにあった海水を飲料水に変える小型海水淡水化装置「レスキュー8」を持ち込んだ。エンジン駆動の高圧ポンプを動力源とするため電源は不要。海水なら1日8トン、河川からなら同16トンを飲料水に転換できる。小型非常用浄水器の「レスキュー96」も仙台市に移した。海水は利用できないが、河川やプールの水などから1日96トンの水を作れる。
同社ではこのほか手動式で小型の「レスキュー12」やアクアネクストソーラーカーなど、規模や用途に合わせて様々なタイプを取り扱っている。
飲料水のペットボトルは現在、続々と被災地に届けられているが、洗濯や炊事などの生活用水は依然、不足しているという。
「海に重油が広がり、プールにも車などが流れ込んでいるため水源が確保できない」(宮下社長)状況だが、水源が確保できれば活躍の場は広がりそうだ。
(インターネット日々流通新聞 引用)