補正予算(国) 2009:05:29:06:33:08

2009年5月29日

 本日(5月29日)夕方、補正予算が参院で否決され両院協経て成立する予定です。
 参議院は29日午後の本会議で、民主党など野党の反対多数で2009年度補正予算案を否決するもようです。これを受け、両院協議会が開かれますが、協議は調わず、憲法60条の衆院優越規定により、同日夕に成立する運びです。 
 参院予算委員会は29日午前、麻生太郎首相と全閣僚が出席して締めくくり質疑を行います。この後、補正予算案を採決し、否決し、直ちに参院本会議に緊急上程されます。
 追加経済対策を裏付ける補正予算案は、贈与税を時限的に軽減する税制改正法案とともに13日に衆院を通過しました。歳出は総額13兆9300億円で、補正予算としては過去最大規模となっています。

 今回の補正予算は、重要課題である環境問題に配慮し、地球温暖化対策の推進につながる点で、前向きに評価することができると言われています。
 子育て応援手当については、平成21年度限りの支給となっており、5月6日に書きました日本の子どもの減少に歯止めがかかるとは思えません。

 現在3?5歳児は323万人で最少。昨年までは年齢層が低くなるほど子供の数が減っていましたが、団塊ジュニア世代の結婚・出産で出生数が増加し、0?2歳児は5万人多い328万人となっています。

 子どもの推計数自体は昨年比11万人の減少しました。減少は28年連続で1950年の推計開始以来の最低値です。総人口(1億2760万人)に占める子どもの割合は13.4%で、これまた過去最低&35年連続で低下しています。ちなみにこの割合、人口3000万人以上の諸外国と比較すると、ナイジェリア44.3%、インド35.3%、アメリカ20.2%、中国19.0%、フランス18.3%、ドイツ13.9%、韓国17.4%・・・・。

 日本の子ども人口は“世界最低水準”にあり、日本の少子化は深刻さを増しています。

その対策として、「モノへの投資からヒトへの投資」と変換をしなくてはいけないと言われています。そのために?積極的雇用政策 ?生活支援 ?家庭と両立する働き方、を政策として提言し実行することが必要だと言われています。

 出生率を1.65(94年)→2.02(2008年)まで上昇させたフランスをみると、さすが第1次世界大戦前、ライバルのドイツ台頭に危機感を抱き、以後「子供なくして未来なし」の理念が指導者層の共通認識となっています。 「明日のエコでは間に合わない」とNHKはやたら喚起しています。しかし、日本の現状では、エコも大事ですが、間に合わないのは、「エコ」より「少子化対策」のような気がします。

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インフルエンザ万能薬 2009:05:28:06:44:09

2009年5月28日

 新型インフルエンザが日本に入ってきて、関西地方を中心に混乱させています。現在、抗インフルエンザ薬として、一般的なタミフル・リレンザは、ウイルスの増殖を抑えるという性質の薬ですので、発症後48時間以内に服用しないと効果がないと言われています。インフルエンザウイルスは8本のRNA(リボ核酸)を遺伝子として持っていいますが、自己増殖する能力はありません。人間や豚など宿主細胞のシステムを利用して遺伝子を複製し、増殖するときに働くのが、RNAポリメラーゼです。

 RNAポリメラーゼは、3つの部品(サブユニット)が結合した状態でしか機能しません。横浜市立大大学院の朴三用(パクサンヨン)准教授は筑波大大学院の永田恭介教授らと共同で、結合部の構造解明に取り組んできました。2カ所の結合部のうち1カ所の構造は昨年7月に英科学誌「ネイチャー」に発表しました。今回はもう1カ所の構造をX線結晶構造解析によって解明しました。

  朴准教授は「ウイルスが変異しても、RNAポリメラーゼはほとんど変異しない。その働きを阻害する薬が開発されれば、どのタイプのインフルエンザに対しても効果が期待できるはずだ」と話しています。

 その研究を基にして、どんなタイプのインフルエンザにも効く「万能型」のインフルエンザ治療薬開発を目指して、高度400キロでの宇宙実験が始まります。
 国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で、7月から予定されているタンパク質結晶生成実験があります。その一つとして、インフルエンザウイルスを構成するタンパク質を、無重力状態の宇宙空間で結晶化し、創薬につなげる構想の実験が始まります。

 また、富山化学工業株式会社は、カナダのトロントで開催(2000年9月17日?20日)された第40回インターサイエンス(世界的規模の学会で米国微生物学会主催、通称ICAAC)において抗インフルエンザウイルス活性を有する全く新しい作用をもった抗ウイルス剤(開発番号:「T-705」)を発見した事を発表し、多くの参加者の注目を集めました。

 それが『T-705』で、タミフルとは違うメカニズムの新薬として開発され注目されています。

 T-705は、数々の実験や研究を繰り返し、一般的な季節性のインフルエンザの薬として、富山化学事業開発部担当部長 古田要介さんらによって1999年にその原型が開発されました。

 現在、抗インフルエンザ薬として、一般的なタミフルは、ウイルスの増殖を抑えるという性質の薬ですので、発症後48時間以内に服用しないと効果がないと言われていますが、T-705は増殖したウイルス自体を攻撃するので、服用する時間が遅くても効果が期待できるという実験結果が出ています。

 2003年、アメリカ国立衛生研究所が行った、世界的な抗ウイルス薬の検証の結果、T-705がH5N1ウイルス(鳥インフルエンザ)に非常に効果的という実験結果がでました。現在、実用化に向け臨床実験中です。

 今回、鳥インフルエンザウイルスを使って、実験検証をおこなったところ、T-705は感染したインフルエンザウイルスを見事に死滅させたという事です。

 現在治験段階のこの新薬ですが、一日も早く認可され、実用化されることが期待されています。

 以上、インフルエンザの万能薬が研究され、実用化に向けて着々と準備されています。以前にも書きましたが、人類とウイルスの生き残りをかけた競走ですね。

 

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