創作四文字熟語 2011:12:12:06:59:28
12月8日住友生命保険は、年末恒例の「創作四文字熟語」の優秀作10編・入選作40編を発表しました。毎年年末には、世相を良く表したこの「創作四文字熟語」を楽しみにしています。
今年は、東日本大震災で首都圏は「帰路騒然」(理路整然)、原発事故の影響から節電を迫られた家庭や企業は「電考節夏」(電光石火)などが特徴的でした。優秀作の10作品のうち、震災関連はこの2作品のほか「天威無法」(天衣無縫)、「愛円義援」(合縁奇縁)、「一松懸命」(一生懸命)と計5作品に上った。
政治の分野では、毎年のように首相が代わる事態を皮肉った「年々宰宰」(年々歳々)が優秀作に。捲土重来を期す野田政権を表現した「賢泥鰌(どじょう)来」も入選した。
スポーツでは、サッカー女子ワールドカップで優勝した日本代表「なでしこジャパン」を称賛した「才足兼美」(才色兼備)が優秀作でした。入選作では「十年一休」(十年一昔)は、米大リーグで惜しくも11年連続の200安打を逃したイチロー選手をねぎらった作品もありました。
今年の傾向として、東日本大震災がらみや5年間で6人の首相を生むという政界を皮肉ったものが多かった。
【優秀作品10編】
・天威無法(てんいむほう≠天衣無縫)…… 大震災・大津波・大雨洪水、天の威力の前になす術がない。
・帰路騒然(きろそうぜん≠理路整然)…… 帰宅困難。大地震に続き台風でも。
・愛円義援(あいえんぎえん≠会縁奇縁)…… 震災で海外からも多くの義捐金が寄せられた。
・一松懸命(いっしょうけんめい≠一生懸命)…… 一本の松が復興のシンボルとして頑張っている。
・電考節夏(でんこうせっか≠電光石火)…… 電気についてみんなよく考えた節電の夏
・金価雀躍(きんかじゃくやく≠欣喜雀躍)…… 金価格高騰で喜ぶ人。
・年々宰宰(ねんねんさいさい≠年年歳歳)…… 毎年のように総理大臣が変わる。
・舌禍繚乱(ぜっかりょうらん≠百花繚乱)…… 政治家の失言が入り乱れた。
・熟年差婚(じゅくねんさこん≠熟年離婚)…… 年の差を気にせず若い恋人と結婚する人が目立つ。
・才足兼美(さいそくけんび≠才色兼備)…… 「なでしこジャパン」の活躍。
今年で22回を迎える住友生命保険の「創作四文字熟語」の審査員を歌人の「俵 万智」さんが、しておられます。住友生命のHPに載っている「俵万智」さんの審査員コメントを掲載します。
【漢字のよさは、ひと目で意味がわかり、凝縮した内容が伝わるところ。たった四つの文字で、きらりと世相を切り取った数々の作品を、今年も堪能しました。
明るいニュースが少なかったなか、「才足兼美(さいそくけんび)」のなでしこジャパンの活躍は、ほんとうに多くの希望をくれました。「熟年差婚(じゅくねんさこん)」は、「熟年離婚」という新しい四字熟語からの、さらなる発展形として印象に残ります。
「年々宰宰(ねんねんさいさい)」「舌禍繚乱(ぜっかりょうらん)」「金価雀躍(きんかじゃくやく)」は、もとの四字熟語との意味の響きあいが面白く、逆に「天威無法(てんいむほう)」「帰路騒然(きろそうぜん)」は、もとの意味との落差に胸が痛みました。「電考節夏(でんこうせっか)」は、標語にしたいほどの出来栄え。
「愛円義援(あいえんぎえん)」「一松懸命(いっしょうけんめい)」。解説のいらないこの二作品に、多くの人が頷くことでしょう。】
俵 万智(歌人)
(住友生命保険HP引用)
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