里山資本主義 2011:11:19:07:35:05

2011年11月19日

里山資本主義 
 これはNHKが放映した番組ですが、便利さ・快適さ・低コストを追求したあまり、地震多発地区への原発建設、水害の想定がされるタイへの企業移転、また、欧米を中心にした資本主義の崩壊、行き詰まり等「マネー資本主義」の崩壊に直面して、地元の自然を活用して経済を起こそうという番組でした。以前から放置された山の問題が取り上げられていますが、なかなか善処できていないのが現実のようです。しかし今、地元の山を生かそうと、間伐材を利用してパレットをつくり、エネルギーにして町おこしをしているオーストリアのようすや、岡山県真庭市の様子が紹介されていました。
 以前は木や山を利用して、自然とともに生きてきた日本人。しかし石油や石炭というエネルギーを外国から輸入するようになって、また輸入木材がどんどん入ってきて、日本人の生活が変化して、山々は荒れてしまいました。しかし石油エネルギーや原子力エネルギーの見直しによって、もう一度木材を利用しよう、木材を積極的に利用して新たな経済を作ろうという動きが始まっています。それが里山資本主義です。田舎が見直されて、田舎が活性化するといろいろなことがうまく回ると紹介されていました。広島県では庄原市の市民活動が紹介されていました。

真庭市 
 津山の隣の真庭市は間伐材を利用してエネルギーを生み出し、それを電気会社に売って、木材を生かして町を活性化しています。十八年三月に「真庭市バイオマスタウン構想」が策定され、地球環境に貢献する資源循環型社会の構築、バイオマスの多面的利活用システムの構築の取り組みが本格化しました。そして、同四月には「バイオマス・ニッポン総合戦略会議」からバイオマスタウンの指定を受けました。県内初、中四国地方で二番目で、大きな弾みとなりました。

オーストリアの東端にあるハンガリと国境を接したギュッシング地域
「エコエネルギー・ランド」
「片田舎で生まれた夢のマシン?エコで実現町おこし」
 この地域は1988 年にはオーストリア最貧の地域と言われていた地域であったが、ペーター・バダシュ町長の情熱とウィーン技術大学のヘアマン・ホフバウア教授グループの開発した木質ガス化装置「夢のマシン」の導入によってBTL(バイオマスから液体燃料をつくる)のところまで発展、1995 年から2005 年までの間に約60 社の誘致に成功、1000 人の雇用を創出、温暖化ガスの排出量を95%削減、ということでヨーロッパ中の絶賛を浴びることになった。
 1992 年にペーター・バダシュ氏が町長に就任し、その莫大な森林資源を原動力にして、化石燃料から100%脱却しようという提案をした。化石燃料代わりに地元産のエネルギーを使えば、域外に流出していた富が全て地域内を循環するものになる。しかも、安定した安いエネルギーを供給できるようになれば、それが魅力となり、多くの企業を呼び込むことにもなるだろうということである。
 当初は、牧草地の菜種の油から車両用燃料を作ることから始まり、牧草を発酵させてバイオガスを生産し、ガスエンジンによる発電をする方向に発展していった。
 化石燃料を使っていると、地域のエネルギー費用3500 万ユーロは全部地域外に流れ出てしまう。これを地域内に取り戻そうと呼びかけた。
 現在は、98 年ウィーン工科大学のヘルマン・ホフバウア教授との出会いで、大学で開発された木質チップのガス化プラントの導入に結び付き、BTL へと展開しています。

バイオマス
 バイオは、「bio(生物、生命)」という意味です。マスは、「mass(かたまり、集合体)」という意味です。
 バイオマス「biomass」は、生物量(一定範囲内の生物の現存量)であり、エネルギーとして使用される動植物のことを総称しています。

バイオマスの種類
 バイオマスには、様々な種類、用途などがありますが、真庭市では、大きく分けて3系統のバイオマス利活用を推進しています。
  ○木質系(伐採後に残る木材、廃材など)
  ○畜産系(家畜の排泄物など)
  ○食品系(食品廃棄物、生ゴミなど)

 

里山資本主義ー革命はここから始まるー(NHK)

【本放送】 総合 11月18日(金) 午後 7:30 ? 8:43
<中国地方向け>
【再放送】 総合 11月19日(土) 午前 10:05 ? 11:18



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