オーランチオキトリウム 2011:06:15:07:41:48
先日、「たかじんのそこまで言って委員会」で勝谷誠彦氏が「オーランチオキトリウム」が日本を救う。日本中の休耕田でこれを育てれば世界一の産油国になれると言っていました。オーランチオキトリウムとは藻の一種だそうです。エネルギー問題が盛んに議論されていますが石油の輸入国の日本が産油国に生まれ変わるかもしれません。調べてみました。
生産能力10倍 「石油」つくる藻類、日本で有望株発見:(asahi.com2010年12月15日)
藻類に「石油」を作らせる研究で、筑波大のチームが従来より10倍以上も油の生産能力が高いタイプを沖縄の海で発見した。チームは工業利用に向けて特許を申請している。将来は燃料油としての利用が期待され、資源小国の日本にとって朗報となりそうだ。茨城県で開かれた国際会議で発表した。
筑波大の渡邉信教授、彼谷邦光特任教授らの研究チーム。海水や泥の中などにすむ「オーランチオキトリウム」という単細胞の藻類に注目し、東京湾やベトナムの海などで計150株を採った。これらの性質を調べたところ、沖縄の海で採れた株が極めて高い油の生産能力を持つことが分かった。
球形で直径は5?15マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。水中の有機物をもとに、化石燃料の重油に相当する炭化水素を作り、細胞内にため込む性質がある。同じ温度条件で培養すると、これまで有望だとされていた藻類のボトリオコッカスに比べて、10?12倍の量の炭化水素を作ることが分かった。
研究チームの試算では、深さ1メートルのプールで培養すれば面積1ヘクタールあたり年間約1万トン作り出せる。「国内の耕作放棄地などを利用して生産施設を約2万ヘクタールにすれば、日本の石油輸入量に匹敵する生産量になる」としている。
炭化水素をつくる藻類は複数の種類が知られているが生産効率の低さが課題だった。
渡邉教授は「大規模なプラントで大量培養すれば、自動車の燃料用に1リットル50円以下で供給できるようになるだろう」と話している。
また、この藻類は水中の有機物を吸収して増殖するため、生活排水などを浄化しながら油を生産するプラントをつくる一石二鳥の構想もある。(山本智之)
渡邉信(藻類学者、筑波大学大学院教授)
渡邉信さんの、40年以上にも及ぶ地道な研究の成果がついに実りました。世界にも注目される、従来の10倍以上の石油生産能力を持つ特別な藻「オーランチオキトリウム」の大発見です。
これまで海外で、いくつか石油を生む藻の発見はありましたが、渡邉信さんが発見したオーランチオキトリウムは、これまで発見された藻をはるかに上回る量の石油を生み出すといいます。
渡邉信さんは日本が誇る「藻」のスペシャリストで、渡邉信さんには今、海外からヘッドハントのオファーが舞い込んでくるものの、「藻」の市場規模は300兆円と言われ、日本がエネルギー輸入国家から産油国になる千載一遇のチャンスと、あくまでも「メイド・イン・ジャパン=日本発」の研究開発にこだわっています。
渡邉信さんがどこでオーランチオキトリウムを発見したかはトップシークレットで、そのサンプルは、限られた人しか知らされていない場所で保管されていますが、汚水を浄化し、さらに石油をも生み出すという人類にとっては、奇跡の藻類です。
急ピッチで進められる渡邉信さんの研究開発は、ついに藻からとれた石油で、大型トラクターを動かせるのか?、井関農機と共同で世界初の実験が行われ、見事にエンジンは動き、藻が作った燃料で田畑を耕せたのでした。
渡邉信さんは大学時代に出会った妻の途子さんに支えられ、「日本を産油国にしたい」とオーランチオキトリウムの実用化に向け、日夜研究に没頭しています
渡辺教授が考えているシステム
下水等の有機排水を処理するためには、最初に固形物を沈殿させ、その後の一次処理水に活性汚泥というバクテリアの塊を投入しています。一次処理水には有機物が多く含まれていますから、活性汚泥の代わりにオーランチオキトリウムを投入すれば、オーランチオキトリウムが排水中の有機物をエサとして炭化水素を作ることになります。
オーランチオキトリウムが処理した後の二次処理水には、窒素とリンが大量に残っていますから、この二次処理水にボトリオコッカスを投入し、やはり炭化水素を作らせます。
炭化水素を抽出した後のオーランチオキトリウムやボトリオコッカスは、動物の飼料やメタン発酵に利用できるでしょう。
渡辺教授が提唱している、排水処理とオイル産生のシステム。オーランチオキトリウムとボトリオコッカスを組み合わせている。
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