決特 討論・採決 珍事 2011:01:28:06:54:46

2011年1月28日

 昨日(1月28日)、決算特別委員会の討論・採決が行われました。4人の議員が不認定の討論を行いました。平成21年度の歳入歳出決算は、不適正会計処理を含んでおり、その全容を解明していないと、平成21年度広島市各会計歳出歳入決算1号ー22号・企業決算(水道事業、下水道事業、病院事業)のすべての決算が【不認定】となりました。広島市にとって戦後初めての事です。大きな汚点を残しました。

不適正な会計処理
 国の会計検査院により平成19年度から21年度の「国庫補助金の事務費に係る実施検査」の結果、全47都道府県、広島市を含む全18政令指定都市において、不適正な経理処理があったことが明らかになりました。このことを契機として、広島市は自主点検(物品購入等ー消耗品)を行い不適正処理があったことを確認しました。調査は抽出方式で、平成16年度・18年度・21年度を、業者に帳簿の提出の協力を得て、各局の帳簿と照らし合わす方法で行いました。
 
その調査で判ったこと(不適正な経理処理の類型)
 1、預け金
    業者に架空取引等を指示して、物品が納入されていないのに納入されたし業者に金を預けておき必要なとき使う

 2、一括払い
    随時、業者に物品を納入させて、後日、納入された物品とは異なる物品の請求書を提出させ、虚偽の関係書類を作成し一括払いをする

 3、差し替え
    業者に虚偽の請求書等を提出させて実際とは契約した物品とは違う物品を差し替え購入する

 4、翌年度納入
    物品が翌年度に納入されていたのに、げんねんどに納入されていたとして処理する

 5、前年度納入
    物品が前年度以前に納入されていたのに、現年度に納入されていたとして処理する

 この事は、間違いなく脱法行為ですが、各現場ではすぐに間に合わせなくてはいけない事柄や、年度当初にすぐに必要な物品が有ります。また、事務処理を軽減するための方便でもありました。例えば保育所などでは事務職員がいません。園長さんが園長仕事の暇を見つけてやっている状況です。私のやっていた教員の世界でも、授業をしていてすぐに必要なものもありました。法的には書類を書いて提出しそして必要なものを購入するというような時間が持てない状況もありました。このような事を長い歴史の中で簡便法的な考え方で処理してきました。

 会計検査院の検査で発覚したことであからさまになりましたが、職員は悪いことをしているという感覚はなかったと思います。しかし、横領・着服の温床になるのではないでしょうか。長い歴史の中で気が付かなかった、監査事務局体制に問題があると思います。(監査事務局にも今回の調査で出ています)独立した監査事務局であるべきですが、市長人事で事務局長・職員が任命されます。(現在の局長は前財政局長)外部監査事務局体制を考えなくてはいけない時期に来ているのではないでしょうか。

 今後、全て法通りの処理をしなくてはいけなくなりますが、現場が混乱しないような方策を考えなくてはいけないと思います。国全体で法的な変更も含めて検討されなければならない事項だと思います。

追伸(珍事)

 昨日の委員会の開会が遅れました。「市民連合」が前日5時締め切りの発言通告を差し替えました。前日の討論通告は「意見を付して賛成」と出していましたが、昨日の朝「党議」をして反対討論に変えて提出しました。「発言通告制度は何のためにあるのか・議会のルールを無視するのか」と、委員長(市民連合)に抗議に行きましたが、「何とかご理解を」と譲りませんでした。議会事務局長にも相談しましたが、「委員長が受けているので事務局ではどうにもなりません」との答えでした。それはそうですが、委員長が議会のルールを知らないのなら、それを教えるのが事務局の仕事ではないでしょうか。

 結局、討論取り下げで決着しました。開会が11:30になってしまいました。混乱させた市民連合からの説明も謝罪もありませんでした。(委員長からも)市長支持会派として行動してきた会派の内部でこのような事の指摘もできないようでは、陰りが見え始めたような気がしました。



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