阿伽羅(あから) 2010:10:15:07:18:24
10月11日、東京大学でプロ女流棋士と将棋ソフトコンピューターの対戦があり初めてコンピューターが勝ちました。
体育の日に東京大学で行われた、清水市代女流王将と情報処理学会の刺客「あから2010」合議制システムの一戦は、六時間を超える戦いの末に86手で清水女流王将が投了、コンピュータ「あから2010」の勝利という結果になりました。序盤から慌しく駒が行き交いする中、時折あらわれるコンピュータならではの差し手に清水女流王将が長考、持ち時間を失う頃合から「あから2010」に攻めきられるという展開でした。細かい分析はこれから行われるはずですが、綺麗な囲いが残っていることからも分かるとおり「あから2010」からしてみればほぼ攻め込まれる機会のない、危なげない勝利。将棋プログラムはすでにアマチュアトップレベルにあると言われていましたが、今回の戦いでさらにその能力を証明して見せたことになります。
「あから」は、人間の様に「相手の攻めを恐れる」という感情を持たずに、単純に計算して攻めることができる。一方、清水女流王将が応手を間違ってしまったのは、時間のない状態で意外な手を指された動揺からだと思います。この対局は、心を持たないコンピューターの強さと、心を持つ人間の弱さが勝敗を分けるという、人間社会の問題そのものが現れました。
(マイコミジャーナル)記事参照
「あから2010」とは、(社)情報処理学会の「トッププロ棋士に勝つ将棋プロジェクト」特性システムです。
「あから」は「阿伽羅」で、10の224乗という数を表し、将棋の局面の数がこの数に近いことに因んでいるそうです。
・ ハードウェア部
東京大学クラスターマシン:
-Intel Xeon 2.80GHz , 4 cores 109台
-Intel Xeon 2,40GHz , 4 cores 60台
合計 169台 676 cores
バックアップマシン:4プログラムそれぞれについて1台ずつ
-CPU: Xeon W3680 3,33GHz 6cores
-Memory: 24GH (DDR3 UMB ECC 4GB×6)
・ ソフトウェア部
構成:国内トップ4プログラムによる多数決合議法
(4つのプレイヤープログラムに局面を渡し、指し手を受け取り、もっとも多い手を指し手として返す)
-合議マネージャ:開発:電気通信大学伊藤研究室&保木邦仁
-プレイヤー1:「激指」開発:激指開発チーム(鶴岡慶雅、横山大作)
-プレイヤー2:「GPS将棋」開発:チームGPS(田中哲朗、金子知適ほか)
-プレイヤー3:「Bonanza」開発:保木邦仁
-プレイヤー4:「YSS」開発:山下宏
チェスの人間のチャンピオンと対決した「ディープブルー」があります。チェスより局面の多い将棋の差し手コンピューター「あから」です。雑学事典によれば『大方広仏華厳経』の中に「漢数詞」というものがたくさんあり、こんな天文学的数字をはるかに超えた数字を、大乗仏教ではいったい何に使ったのかと思えるようなものです。まったく阿修羅みたいな数です。「大方広仏」は時間も空間も超越した絶対的な存在なのだそうです。
大数の世界
■最近のコンピュータはスピード、容量ともに大きくなり、ギガ単位が当たり前となってきました。もうすぐテラの製品が登場するのでしょう。 寺? お経には「十万億仏国土」のように大きな数がよく登場します。大きい単位の上位の方には仏教語が使われています。
恒河沙から上位が仏教語です。
千 (キロ) 10 の 3 乗
百万 (メガ) 10 の 6 乗
十億 (ギガ) 10 の 9 乗
兆 (テラ) 10 の 12 乗
恒河沙(こうがしゃ) 10 の 52 乗
阿僧祇(あそうぎ) 10 の 56 乗
那由多(なゆた) 10 の 60 乗
不可思議(ふかしぎ) 10 の 64 乗
無量大数(むりょうたいすう) 10 の 68 乗
数値については諸説ありますが、おおむね江戸時代に発行された塵劫記(じんこうき)という数学の本が基になっています。塵劫記の名前も塵点劫 (じんでんごう)という長い時間を表す仏教語に由来するものです。
恒河沙 恒河はガンジス河。ガンジス河の砂の数のように沢山という意味。
阿僧祇 お経(倶舎論くしゃろん)では10の51乗とされていますが、中国の命数法の10の56乗が一般化しています。
那由多 那由他とも書きます。
不可思議 「思いはかることができない」の意味が原型です。
無量大数 無量と大数に分ける考え方もあります。
このお経の内容ですが、数の仕組みを説いて、平等な悟りの功徳は計算を超えて計り難いことを説明しています。
(やさしい仏教入門 > 大数)より引用
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