コンパニオンプランツ  2010:07:06:07:07:18

2010年7月 6日

 朝の散歩の時、ある畑に色々な野菜と共に麦がぽつんぽつんと植えてありました。麦が野菜を病害虫から守ってくれるのだそうです。昔からそのような組み合わせがあると聞きました。【コンパニオン・プランツ】と名付けられています。

コンパニオンプランツ
 二種類以上の植物を近距離に植えて栽培すると、一方または双方に、生育が良くなる・病虫害が減る、などの効果が現れることがある。「コンパニオンプランツ(共栄作物、共存作物)」とは、読んで字のごとく、そのような共存共栄関係のこと、あるいは、そのような関係にある植物同士のことをいう。具体的には、ウリ科野菜(キュウリなど)とネギ類を混植すると、ウリ科野菜の連作障害から来る「つる割病」が減少することなどが挙げられる。
 コンパニオンプランツを利用して野菜類等とハーブ類等をうまく組み合わせて一緒に植えると、病害虫を防いだり、成長を促進したり、収穫量が増えたり、風味や芳香を良くしたり等、様々な良い効果を生み出すと言われている。経験的に言われているものがほとんどで科学的に解明されている例は少ない。しかし、次の様な作用ではないかと言われている。

アレロパシー(他感作用)
 植物は、自分の一族を繁栄させるため、その他の生物(植物だけでなく、微生物、昆虫なども)の活動を促進または抑制する物質を放出することがある。この働きを利用すれば、栽培作物の生育を促進したり、雑草の生育を抑えたり、害虫や病原菌の活動を抑制したりできる。

寄主特異性
 植物に害をなす昆虫や病原菌は、どんな植物でも寄生できるわけではなく、寄主となる相手はきわめて限定されている。従って、同じ土で、害虫や病原菌が好む植物ばかりを栽培すると、病害虫が喜んで集まってくるため被害が大きくなる。しかし、その中に、病害虫が嫌う植物を混ぜ込むと、病害虫の集まりが悪くなることがある。

極相(クライマックス)
 ある土地に生える植物群が、何度も種類を変えながら移ろいゆき、最終的に、その土地に最も適合した安定的な状態に到達する、という考え方を「極相」という。日本で最も一般的な変遷例は、「更地」→「草が生える」→「日光を好む陽樹・落葉樹が生える」→「日陰でも生育できる陰樹・常緑樹が生える」の順とされる。
 畑などの耕作地では絶えず人の手が入るので、木は生えないが、除草をせずにいると、さまざまな雑草が生えてくる。そして、長期間に渡って同じ土で同じ作物を作っていると、生えてくる雑草の種類が次第に単純化されて減ってゆき、特定の雑草だけが残る。生き残った雑草は、作物と共存可能な種類であり、除草の必要はない。この状態も、一種の「極相」とされる。

根圏微生物
 植物の根の周りの土には、いろんな微生物(根圏微生物)が住んでいる。これらの微生物群は、根から分泌されるさまざまな物質の影響を受け、絶えず増減している。従って、長年同じ土で同じ植物だけを栽培し続けると、特定の微生物だけが異常に増えたり減ったり、という事態が起こる。そうなると、土中の微生物群の多様性が失われて単純化し、病原菌ばかりが増殖するなどして、生育不良・連作障害の原因となる。
性質の異なる二種類以上の植物を同じ土で栽培すると、根から分泌される物質や、根圏微生物の種類が異なるため、土中で特定の微生物だけが増減する、ということがなくなる。微生物の多様性が保たれれば、植えられている植物の生育が良くなったり、病虫害が減ったりする。

バンカープランツ(天敵温存植物)
 害虫には、必ず天敵が存在する。この天敵に、好適な住みかや十分な餌を提供する植物を「バンカープランツ」という。バンカープランツに害虫が付くと、それを捕食する天敵がやってきて繁殖し、その結果、栽培作物に付く害虫が減る。いわば、野菜など本命の植物を守るための囮である。

 実際の組み合わせ。クリックして下さい。

コンパニオンプランツ.pdf

 



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