黄金比と白銀比 2010:04:22:08:05:18

2010年4月22日

 先日テレビで竜安寺の石庭について特集をやっていました。石庭は遠近法を用いた黄金比で作ってあるそうです。

 龍安寺石庭の敷地の形状、石の配置が黄金分割で成り立っています。また、高さに変化がある土塀で通常、塀は一定の高さで作られるものですが、石庭を囲む土塀は、手前が高く奥が低くなっています。
これは、いわゆるパースペクティブ手法と呼ばれるもので、見たときに遠近感が強調され、実際より奥行を感じさせる手法です。西洋の建築、庭園では一般的によく使われている手法で、16?17世紀(日本だと桃山時代から江戸時代にかけて)、ヨーロッパのルネサンス、バロック時代に大流行しました。
 この手法が龍安寺石庭にも見られます。

黄金比

黄金比とは、最も美しいとされる比「1:(1+√5)/2」のことで、近似値は1:1.618、約5:8です。

1682480.jpg

黄金比は、歴史的建造物、身の回りの品に見られる比率として、下記例が挙げられています。

 ・ピラミッド:高さと底辺
 ・パルテノン神殿の前面:各部が黄金比をもとに構成
 ・古代ローマ及びパリの凱旋門:中央開口部の高さと全体の高さ
 ・ミロのビーナス:おへそから上と下
 ・身近の物:名刺、テレホンカード、新書判、パスポート、タバコの箱、コミックマンガ本等

 一方、黄金比と並ぶ美の比率として、白銀比と呼ばれるものがあり、黄金比がパルテノン神殿などの建築に使われたのなら、白銀比は、法隆寺とか日本のお寺などの建築に使われています。

白銀比

この白銀比は、日本が発祥の地と言われ、別名、大和比とも称され、古来より白銀比を美しい比率として考え、法隆寺の五重の塔を始め、日本建築に生かされているそうです。 

白銀比.jpg

 白銀比が見られる、歴史的建造物などの例として、下記が挙げられています。

 ・法隆寺の五重塔:平面図における短辺と長辺
 ・四天王寺伽藍:敷地の平面図における短辺と長辺
 ・用紙サイズ(A版、B版):これは有名な話
 ・生け花にも多く見られる比率とか。・・・詳細不明
 ・多くの仏像、彫刻の顔や全身・・・詳細不明

 古代ギリシア以来「神の比」とまで呼ばれた黄金比で人間にとって最も安定し、美しい比率とされ、建築や美術的要素の一つとされています。 縦横2辺の長さの比が黄金比になっている長方形は、どんな長方形よりも美しく見えるといいます。

 しかし、日本人は黄金比よりも白銀比を好むと言われています。20世紀後半、フラクタル幾何学やカオス理論といった現代数学の考え方によって、「自然界に自己相似がある」ことが理論的に裏付けられました。しかし、自然とともに生きてきた日本人は、フラクタルの概念が提唱されるずっと以前から、自然の相似性に気付いていました。自然の持つ相似性を内に秘めた白銀比は、日本人にとってまさに理想であり、それをデザインにも生かしたのではないでしょうか。

                                 (インターネット記事参照)



コメントをどうぞ