「朝三暮四」 2010:01:24:09:01:15

2010年1月24日

 今朝(1月24日)の、産経新聞朝刊の【産経抄】に面白い記事が載っていました。前首相と同じ様な言葉の間違いです。言葉の間違いと言うよりも少し深刻な気がします。先日、ある政治家のパーティーに出席した時、【鳩山邦夫】衆議院議員が兄の【鳩山由紀夫】総理大臣を指して、兄は【アメーバー】だと称しました。何の信念も無く、相手に何でも合わせて生きてゆく生き方を弟として歯がゆい思いでしゃべられました。

【産経抄】(1月24日)

 テレビ中継を見ていて、鳩山由紀夫首相に一瞬、自信が戻ったように感じた。一昨日の衆院予算委で自民党の茂木敏充氏から「朝三暮四」の意味を問われたときだ。「よく知っています。朝決めたことと夜決めたこととがすぐ変わるという意味です」。

▼むろんこれは間違いで「朝令暮改」の意味である。「朝三暮四」は猿に木の実を与えるときの話だ。朝3つ、晩4つずつやろうとすると、猿たちが「少ない」と怒る。「じゃあ朝4つ、晩3つでどうだ」と言うと納得した。つまり言葉で人をごまかすことである

▼鳩山政権は麻生政権時代に成立した平成21年度補正予算の執行を停止したうえ、第2次補正に凍結した事業を取り込んだ 茂木氏としては「それは朝三暮四じゃないか」と追及しようとしたらしい。ところが首相が間違ったため、 ズッコケてしまった格好だ。

「朝三暮四」と「朝令暮改」は語呂が似ているため、時々取り違えられる。だが今回の首相の間違いはもう少し意味深長なようだ。就任以来言われている発言のブレをまた、批判されるのかと思った。だからとっさに「朝令暮改」の方が頭に浮かんだ気がするのだ。

▼それほど「ブレ」癖は直っていない。特に小沢一郎氏の資金管理団体の事件をめぐってはひどい。 逮捕された石川知裕議員が「起訴されないことを望む」と述べ、一夜にして撤回する。小沢氏を「同志」と持ち上げておきながらも「一蓮托生(いちれんたくしょう)という話ではない」と逃げをうつ。

▼まるで出たとこ勝負のような発言ばかりである。
    論語には、似たような語呂で「朝聞夕死(ちょうぶんせきし)」という言葉もあるそうだ。朝、道の教えを受ければ晩に死んでもいい。一国の首相に失礼だが、そのくらいの気持ちで政治の道を学んでほしい。

【産経抄】
  産経新聞朝刊1面のコラム。皿木喜久論説委員長ら3人の論説委員が交代で執筆する。「なるほど、こんな見方があるんだ」と納得できる難しいことを判りやすく伝えるコラムと自負しています。

                                          



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