鶴 2010:01:03:07:22:49
鶴は、日本では縁起の良い鳥とされて、昔話にもよく登場し、「鶴は千年、亀は万年」などカメと共に長寿の象徴とされています。他の動物より寿命が長いのは確かですが、実際の寿命は動物園での飼育の場合であっても50年-80年程度で、野生では30年位と推定されています。
ツルは地上性、特に湿地での活動に高度に順応した鳥で、一部の種類を除き木に止まることはできません。 よく水墨画でツルがマツ等の樹に止まる構図がりますが(いわゆる「松上の鶴」。伊藤若冲の『旭日松鶴図』や広渡湖秀の『桃鹿・巌波双鶴図』を始め数作が知られる)が、これは一般にコウノトリとツルとを混同してのことだとされています。
日本だけではなく欧米などでも「神秘の鳥」「幸運のシンボル」とされています。
また、かつての日本航空やルフトハンザドイツ航空などの航空会社のシンボルにも使用されています。
日本では、北海道の【丹頂鶴】・山口県周南市八代鹿児島県出水市の【鍋鶴、まな鶴】が有名です。北海道の丹頂鶴は1年中居ますが、なべ鶴・まな鶴は、冬季に北から飛来します。
種類
ナベヅル(鍋鶴 NABE-ZURU Hooded Crane)
首から下は黒褐色、上は白色、額に黒と赤い肌がみえる小柄なツルです。世界中に約1万羽いるといわれています。
夏は、アムール川(ロシアと中国の国境)周辺やその北部などで子育てし、冬は大多数が出水で、少数が山口県周南市八代、中国東部、朝鮮半島で過ごします。
マナヅル(真鶴 MANA-ZURU White-naped Crane)
ナベヅルより頭ひとつ大きく、目の回りが赤。飛んだときは特に、背中の銀灰色が目立ちます。
世界中に約5,000羽いるといわれています。夏は、アムール川周辺で子育てし、冬は半数近くが出水で、
他に中国中東部や朝鮮半島などで過ごします。
クロヅル(黒鶴 KURO-ZURU Common Crane/Eurasian Crane)
体は薄い灰色、のどに目立つ黒が入ります。大きさはナベヅルとほぼ同じか、少し大きめで見分けにくいのですが、翼を広げると、風切羽がくっきり黒く色分けされています。世界中に約25万羽いるといわれています。
夏は、ドイツやスカンジナビア半島からロシア、中国に至る広い範囲で子育てし、
冬はスペイン、北・北東アフリカ、イラク、アフガニスタン、インド、中国などで過ごします。
カナダヅル(カナダ鶴 KANADA-ZURU Sandhill Crane)
体は薄い灰色ですが、羽に泥を塗る習性があるため、よく赤さび色を帯びています。額にハート型の赤い肌がみられます。ナベヅルと同じか少し小ぶりです。世界中に約65万羽いるといわれています。
夏はカナダ、アメリカ北部、アラスカ、シベリア東部などで子育てし、冬はアメリカ南部、メキシコなどで過ごします。
ソデグロヅル(袖黒鶴 SODE-GURO-ZURU Siberian Crane)
顔面は赤、体は白ですが、飛ぶと翼の先の黒が現れます。マナヅルより少し大きめです。世界中に約3,000羽いるといわれています。
夏はロシア東北部、冬は中国東部にすむものと、夏はロシア西部、冬はカスピ海南部やインド北部にすむものがいます。
アネハヅル(姉羽鶴 ANE-HA-ZURU Demoiselle Crane)
蒼灰色の体、頭から胸まで漆黒で、目の後ろに白く長い飾り羽があります。ツルの中で最も小型の種類です。世界中に約23万羽がいるといわれています。夏は東ヨーロッパから中央アジア、中国東部に至る広い範囲で子育てし、冬はアフリカ、パキスタン、インドなどで過ごします。
タンチョウ(丹頂 TANCHO Red-crowned Crane)
体がほぼ白く、額が黒と赤、のどと翼の風切羽に黒い部分があります。日本のツル類の中で最も大型です。世界中に約1,900羽がいるといわれています。
夏はアムール川周辺、冬は朝鮮半島や中国の長江北部にすむものと、一年中北海道にすむものとがいます。
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