相対的貧困率 2009:10:30:06:05:56
今月20日、厚生労働省より相対的貧困率が発表されました。
厚生労働省は20日、全国民の中で低所得のため生活が苦しい人の割合を示す「相対的貧困率」を政府として初めて公表しました。それによると、06年時点で年間の可処分所得が114万円以下の「貧困層」は15.7%に上りました。
長妻昭厚労相によれば、経済協力開発機構(OECD)が03年に報告した統計では、日本の「貧困率」は14.9%。メキシコ(18.4%)、トルコ(17.5%)、米国(17.1%)に次いで加盟30か国中4番目に高かいと言う結果が出ています。また、日本の単身世帯(母子、父子家庭)の貧困率は58%にも達し、加盟国中最も高かった。ここで注意したいのは、この貧困率が「相対的」であるということです。 この貧困率ですが、OECDの発表による2006年7月のデータでは、日本は先進国の中では米国に次いで2位という残念な状況にあります。逆に貧困率の低い国としてはスウェーデンをはじめ、フランス、英国などが挙げられます。(インターネット参照)
もう一つ興味深い調査結果があります。
「貧しさのために生活必需品が買えなかった経験」についてGlobal Attitudes
Project(44 カ国、約38,000 人を対象に、世界的に行なわれている世論調査のプロジェクト)が2002年に調査したもので、日本、米国、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、中国、韓国、ロシアの11カ国を対象にしています。
この調査結果では、日本は「食料、医療、衣服を買えなかったもの」の比率が対象国中もっとも低く、相対的貧困率では低かったフランスや英国よりも「生活困窮者」は少ないことを示しています。(廣澤知子のやさしいマネー講座より)
それでは、相対的ー が有れば絶対的ー を探してみました。
●絶対的貧困率
当該国や地域で生活していける最低水準を下回る収入しか得られない国民が全国民に占める割合の事。 相対的貧困率よりも実状を反映しやすいという特徴があるが、逆に言えば、「生活していける水準」を どのように設定するかによってさまざまな基準があり、設定者の主観が入りやすいという危険を持つ。
日本国憲法に規定されている「文化的な最低限度の生活」の具体的枠組み・解釈は人によって違うとして、色々論議があるけど、それと似たようなリスクがあるかな。
●相対的貧困率
国民の経済格差を表す指標で、「年収が全国民の年収の中央値の半分に満たない国民の割合」の事。 絶対的貧困率と違い数学的な指標なので主観が入りにくい。しかし絶対的貧困率と異なり 国によって「貧困」のレベルが大きく異ってしまうという特徴を持つ。
この為裕福な国Aにすむ人が相対的貧困率の意味で「貧困」であっても、貧しい国Bにすむ人々よりも ずっと豊かな暮らしをしている、という事もありうる。よって相対的貧困率は「貧困率」という名前であるが、 貧困を表す指標ととらえるよりも国民の経済格差を表す指標ととらえたほうが正しいと言えるのではないでしょうか。
今回取り上げられてる「相対的貧困率」も、経済格差度、と表現した方が分かりやすいのではないでしょうか。日本の国は往々にして、このようなデーターが出ると声高に「大変だ!大変だ!」と叫ぶ傾向にあると思います。冷静にあらゆる角度から経済の分析が必要ではないでしょうか。しかし、経済格差が大きくなっているのは間違いない事実だと思います。
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