モラトリアム 2009:09:30:07:06:09

2009年9月30日

 民主党政権になってから、亀井静香金融相の発言が目立っています。「モラトリアム」と言う言葉が中心です。昭和の「徳政令」とも言われています。難しい経済のことはよく解りませんが、「借りたものは返す」と言う基本的な「モラル」については、どのように考えたらよいのでしょうか?「モラトリアム」について調べてみました。

モラトリアム(moratorium)
「しばらくの間やめること」を意味します。政治・経済・金融などの分野では、戦争・恐慌・天災などの非常時に社会的混乱を避けるため法令により「金銭債務の支払いを一定期間猶予すること」をさします。
 核実験や原子力発電所設置、法案などに関しては、「一時停止」「一定期間の停止」「凍結」を意味します。
 発達心理学では、知的・肉体的には一人前に達していながら、なお社会人としての義務と責任の遂行を「猶予されている期間」、また、そういう心理状態に留まっている期間をさします。
 1927(昭和2)年に起きた金融パニックに対して、政府が 2 日間の銀行業務停止命令と 3 週間のモラトリアムを発動したという新聞記事が見られます。しかし、この語が広く一般に使われるようになったのは、1977(昭和52)年に「中央公論」誌に掲載された「モラトリアム人間の時代」からでしょう。 
 これは、当時慶応義塾大学助教授だった精神医学・心理学者の小此木啓吾(1930-2003)が
発表したもので、これにより、「モラトリアム」という言葉は、学術用語を超え出て一般にも使われる流行語になりました。
 
モラトリアム人間

 「豊かな社会に育ち組織に属さない青年」を規定した小此木啓吾の造語で、現代人の特徴、特に現代の若者気質をあらわす言葉として一世を風靡しました。その後30年以上を経過した2000年4月8日のTV討論番組では、小此木自身が「モラトリアム」を「もともとは借金の先延ばしのことですが、心理学用語では義務・責任の先延ばしということ」と説明しています。

今回の「モラトリアム」の政治的背景(9月30日産経ニュース参照)

 亀井静香金融相が打ち出したときは、市場も巻き込んで大騒動となりましたが、首相は29日、こともなげに「私も都議選の時からそう思っていた」と言い放った。モラトリアム?。舞台裏で何があったのか。

■2人だけ
 「鳩山首相も『やりましょう』と言っている。発端は沖縄でね、1000人の前で言っちゃったでしょ? 真実は1つしかない」亀井氏は29日、金融庁で約1時間にわたって閣議後の記者会見をしたが、大半がモラトリアム法案の正当性を強調するものだった。
 亀井氏の指摘通り、鳩山氏は、衆院解散直前の7月19日、民主党代表として臨んだ那覇市での民主・国民新両党の合同総決起集会で「しばらくの間、返済を猶予する元本返済猶予法を考えている」と語っていた。
 この総決起集会の直前、亀井氏は鳩山氏に「元本だけでは駄目。利息(金利)まで(返済猶予を)やれ」と迫ってもいる。
 さすがに鳩山氏は金利までは踏み込まなかったが、民主党金融対策チームが今年3月にまとめた「緊急資金繰り対策」に元本返済猶予措置が盛り込まれていた経緯もあり、鳩山氏は亀井氏に法案の検討を約束していた。

■花を持たせる
 鳩山氏はこの後も、衆院選の応援演説などで、元本返済猶予法を制定することを繰り返し公言。
 首相にとっては、実は織り込み済みの政策だったことになる。結局、「元本返済猶予」は、民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)には盛り込まれず、国民新党のマニフェストにだけ明記された。
 この事情を、民主党政策調査会関係者は「うちがマニフェストに入れなかったのは、国民新党に花を持たせるためだった」と解説する。
 その後、今月9日の民主、社民、国民新の3党連立合意は中小企業対策として「返済期限の延長、貸し付け条件の変更を可能とする」とした。この中には「返済猶予」の表現がなかったため、民主党の藤井裕久財務相や平野博文官房長官は、モラトリアム法案に批判的だ。
 だが、亀井氏にしてみれば、首相が選挙戦で繰り返した発言は「動かぬ証拠」なのだ。

                                        



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