鱧(ハモ) 2009:06:17:05:54:23

2009年6月17日

 先日、弟の店「話食家 和」で、鱧シャブ鍋を食べました。美味しいだし汁に玉ねぎを入れ、鱧をシャブシャブして玉ねぎと一緒に食べる。この季節の大変美味しい1品です。季節の鱧について調べてみました。


栄養
・ハモには、タンパク質、ビタミン、ミネラルがバランスよく含まれています
・特にビタミンAが多く含まれていて、消化器や呼吸器、目の粘膜を強化する効果をもち、胃腸の病気や風邪の予防、夜尿症にも有効です
・他に、ビタミンB2やビタミンE、それにEPA、DHAも豊富に含まれ、動脈硬化、疲労回復、老化防止に効果的です
・また、皮にはコンドロイチン(生体の骨、軟骨、血管、角膜、などの結合組織に含まれるムコ多糖の一種)が多く含まれています
・白身の魚ですが、脂肪が多く、暑い夏を乗り切るには打ってつけの食材です

特徴
・ハモはウナギ目ハモ科の回遊魚です
・ハモはウナギやアナゴ同様に細長い体型をしていますが、目つき、顔つき、歯並びは鋭く、どう猛で近寄りがたい容姿をしていて、上顎の中央に歯があります
・寿命は10数年と言われ、2メートルを超える大物もいます
・成長には雌雄で差があり、雌の方が成長は早い

漁場
・本州中部以南、特に瀬戸内海、四国、九州に多い。さらに朝鮮半島、台湾、東インド諸島、インド洋、紅海にわたって暖かい海に広く分布しています
・真ハモとスズハモの2種類がありますが、味は銀色の真ハモに限ります
・漁法は一本釣り、延縄、底曳網が主流です
・国内物では山口県、淡路島を中心に大分県、愛媛県などで漁獲されます
・最近は中国物の入荷はすくなくなってきましたが、韓国物の入荷は順調で、国内物と同じぐらいの値段がつきます

語源

ハモの語源は「食(は)む」からきているといわれます。
ハモはウナギ目に属しますのでウナギやアナゴの仲間です。
同じ仲間でもウナギやアナゴは脂ののった濃厚な味が魅力ですが、ハモは味わい深く上品で淡泊な味が魅力です。
これはウナギやアナゴの様には脂分が多くない代わりに、鱧には旨み成分であるアミノ酸がより多く含まれているからです。
さっぱり、あっさりとしているのに旨いのはアミノ酸が多く含まれているおかげです。

ハモはその上品な美味しさから想像つかないような非常に凶暴な魚で、魚、イカ、エビ、タコなどのかなり大きな獲物をその大きな口で捕らえて食べます。
この口には料理人もかなりの注意が必要で、活絞めする際に指を噛まれたりすることが多々あるようです。
海のギャングと呼ばれるウツボも同じウナギ目の魚であると言えばこの凶暴さも納得できるでしょう。

毒入り?

ウナギ目共通の特徴として、毒があります。
ウナギ、アナゴ、うつぼ、もちろん鱧にも血液中に「イクシオトキシン」という毒があって、食べるとおなかを壊すんです。ただし、加熱するとその毒は分解してしまいます。だから安心して食べています。。

鱧の骨切り

ハモは小骨が非常に多いため、そのままでは食べることができません。そこで「骨切り」と言う技法を行います。開いた身に細かく包丁を入れていき、皮一枚だけを残してじゃばら状にします。
一寸(3.3cm)あたり25本の包丁を入れられれば名人とされるようです。
最近(と言っても結構昔からですが)では「骨切りマシン」なるものが存在しますので、ハモ切りの経験が無い魚屋などでもハモが並べられるようになりました。
しかし、機械式のものは綺麗に一定間隔で切られ、身がやけに平べったくなるので華を咲かせるのは難しいようです。

ハモと京都

京都の人は昔からハモをよく食べます。
今のように流通が発達してなかった時代、海が遠い京都へは暑い夏に新鮮な魚を運ぶのは非常に困難でした。
しかし、ハモは非常に生命力の強い魚で、瀬戸内から生きたまま京都に入荷させることが可能でした。
特に七月、つまりハモの旬に行われる「祇園祭」ではハモが大いに振舞われ、別名「鱧祭り」と呼ばれます。
                                   (京都 本田鮮魚店ホームページ参照)



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