シングル介護 2009:05:09:07:29:59

2009年5月 9日

 昨日(5月9日)のテレビで、シングル介護について特集をしていました。特集のきっかけは、女優や歌手として活躍した清水由貴子さん(49)の自殺でした。4月20日、静岡県小山町の墓地で自殺しました。翌日見つかるまで傍らには、車いすに座った認知症の母(78)が残されていました。芸能界から引退、母の介護を独身の身で引き受けていた清水さんでした。父の墓前で命を絶つまで笑顔を絶やさなかったと言われています。介護保険制度が始まって9年。その死は、独身者を含む家族が担う在宅介護の難しさを改めて浮き彫りにしました。

 厚生労働省の調査によると、65歳以上がいる世帯のうち「親と未婚の子だけ」は、86年の11・1%から07年は17・7%になりました。介護などで離職や転職する人も多く、総務省の就業構造基本調査では年間約14万4800人(06年10月?07年9月)に達します。

 立命館大の津止正敏教授(地域福祉論)は「親の介護が影を落とし、結婚できない人が増えているのではないか」と指摘しています。「介護離職者は収入が減るのに介護支出が増え、貧困に直結する。介護者の支援プログラムが必要」と提言しています。

 厚労省の研究班が05年に実施した調査では、在宅介護者の4人に1人は抑うつ状態でした。介護問題に詳しいノンフィクション作家、沖藤典子さんは「介護保険には、思いを聞くなど介護者をケアする仕組みがない。追い詰められる人は大勢いる」と語っています。

 毎日新聞が報道した06から08年の介護殺人・無理心中(既遂)は97件でした。年平均(約32件)は介護保険導入前の99年(21件)を上回っています。

 厚生労働省は、平成21年度、制度の見直しを計画していますが、前倒しにしてでも見直しをしなければいけない状況が来ていると思います。

◇介護保険制度
 寝たきりや認知症などで日常生活に手助けが必要になった高齢者を社会全体で支える社会保障制度。00年4月にスタートした。市区町村が運営し、介護サービス費用の9割を給付する。40歳以上が保険料を払い、原則65歳以上がサービスを受ける。介護が必要かを示す要介護認定は最も軽い「要支援1」から、日常生活に介護が必要な最重度の「要介護5」まで7段階あり、利用限度額に差がある。少子高齢化の進展に伴い、介護保険の総費用(介護給付費と自己負担額の合計)は3・6兆円(00年度実績)から7・4兆円(08年度予算)に倍増し、利用者も約150万人から約380万人に増えた。

(毎日JP)引用



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