【市政報告】12月定例会閉会 採決 2010:12:18:06:43:46

2010年12月18日

 昨日(12月17日)第5回広島市議会定例会の最終日としてすべての議案の議決が行われました。全て原案通り可決されました。

 第86号議案は一昨日の総務委員会(委員長公明党)で賛成少数で否決されました。

 内容は市長の1月分給与を100分の20減額するというものですが、その目的は平成16年度から21年度の間に不適正経理が行われ、自主点検の結果、約8億5千8百万円(推計)の損害に対する返還金の一部に充てるというものです。委員会否決は額が多いとか少ないとかそういうことを意味するのではなく、全容解明を求める議会の意思を示したものであり、不適正経理の幕引きを図ろうとする市長案の処理計画に異を唱えたものでした。

 それを受けて本会議で採決が行われましたが、共産党・市民市政クラブ(一人反対)・市民連合・ひろしま未来クラブ(一人反対)・公明党が賛成し原案通り可決しました。平成21年度の決算を審査する決算特別委員会が終わっていないのに1月の給料から返還金を差し引いて幕引きをするのはおかしいと、我々は否決んをしましたが正論は通りませんでした。これから1月の決算審査の中の火種となりそうです。

 議員提出16号議案 広島市議会基本条例の制定についてが上程され採決されました。これも原案通り可決されました。この議案は議長の私的諮問機関である「議会改革検討委員会」で審議され今回上程されました。我々は、議会全体のものとして審議していない、このように議員の会期切れが迫った時期に作るべきでない、新しい議員が選ばれた5月以降に公的な特別委員会を作り、しっかりと審議しておざなりの条例ではなく広島市議会独自の条例を作ろうと反対しました。私はこのことに反対討論をしましたが通じませんでした。3月議会の猜疑の時も反対討論をしましたがそれと同じことが起こりました。議長の強引さが目立ち、それに追従する会派・議員が増えてきています。広島市議会は思考停止に状態にあると思います。私の討論を掲載しておきます。

平成22年第5回定例会(12月)
広島市議会基本条例の制定についての討論

 議員提出16号議案、議会基本条例の制定について反対の立場で討論をします。また、ただいま上程された修正案についても反対します。
 議員提出17号議案広島市議会委員会条例の一部改正については賛成します。
 付け加えておきますが、議会基本条例そのものに反対の立場ではありません。それよりも議員全員が認める議会基本条例を作り議会改革を進めるという立場の会派です。我々の会派の議会改革の方向のポイントは、
 ?立法・政策能力の向上
 ?議会の自立性の確立
 ?議会スタッフの充実
 ?監視・統制機能の強化
 ?開かれた議会づくり
としています。

 さて、そもそも議会基本条例とはどのようなものなのでしょうか。
 東京財団の「市民参加と情報公開の仕組みをつくれ」という政策提言によりますと、議会の最高規範で、確固たる理念と実効性、継続性のある議会のルールを明記しているものであり、地方議会が自らの意思で実施する改革として画期的なものであるとされているものです。

 そうした我々議会人にとって、いわば、憲法とも言えるものであることを考えますと、それこそ、全議員の英知を結集し、つくり上げることをまず考える必要があると思いますし、そうした議論のできる場を設定することが必要なのではないでしょうか。

 しかし、今回提出されている条例案は、議長の私的諮問機関である「議会改革検討委員会」で原案を作られ、議長に答申を出されたものを基に作成されたものです。
 我々の会派自由民主党新政クラブ・ひろしま政和クラブ・公明党は、この委員会に会派の代表を出していません。個人の資格で出席しています。会議の中でも出席した議員が、会派の代表ではないと発言もしています。しかし、議長はこのことを会派内の問題で、ここで言うことではないと一切取り上げてもらえませんでした。
再三、ちゃんと議事録のある、特別委員会を作り、みんなの議会基本条例にしましょうと訴えました。この事も取り上げてもらえませんでした。

 また、全員のものとして欲しいという皆さんの要望で「全員協議会」を開かれました。そこでは色々な意見が出されました。その意見を入れて修正したと、新しい修正案を出されましたが、共産党の出された「政治倫理」項だけ取り入れ、数合わせをされたようですが、その他は一切変わっていませんでした。

 また、なぜ、このように、議会の定期満了間際になって、駆け込みのように作ろうとされているのかも、不可解でなりません。

 自治体議会改革フォーラムの調べによりますと、12月10日現在、既に144議会で議会基本条例を制定しているのです。
 この時期に作るのであれば、現在のような、基本的事項のみを定めるのではなく、練りに練った、広島市独自の条例とすべきではないでしょうか。

 以上のような理由で、我々の会派は今回提出された「議会基本条例」について協議を十分しておりません。そのような状況の中で出された条例案に賛成する訳にはいきません。
それよりも、改選後、新しい議会で特別委員会を作り、議員全員のものとなる「広島市議会基本条例」を創ろうではありませんか。

 また、この度、今回の基本条例に一問一答方式を加える修正案も提出されましたが、評価は分かれている中で、認めるわけにはいきません。


 最後に、先ほども言いましたが、本来からすれば議会基本条例は議会の憲法であるはずです。議論の過程も無い、みなが納得するような報告書も無い、議会基本条例制定は条例制定の趣旨に反すると思います。議会基本条例は全会一致であるべきです。全会一致で議決しなかった例は全国ほとんど無いと思います。6対4というような拮抗した数で制定したならば、広島市議会の大きな傷となると思います。誰のための議会基本条例ですか?何のための議会基本条例ですか?開かれた議会を作るための条例だと思いますが、これでは本末を転倒しているのではないでしょうか。
 良識を持っている議員の皆様の懸命なる判断をお願いして討論を終わります。